メンタルブログ

ナンパエピソードや、戦略、記録等を綴るブログです。

【なぜ音声をとるのか、即音声の開示について】

【なぜ音声をとるのか、即音声の開示について】

 

基本的に、自分は全ての声掛けを録音し、合流時に希望があれば条件付きで開示しているのですが、この記事で改めて、開示の条件や、録音をとる理由等について書いときます。

 

 

<開示の条件>

 

・案件、他のクラスタ、自分の特定に繋がる情報(名前、居住地、センシティブな内容等)の収録部分は編集する

 

・データの送付を求めない

 

以上。

 

 

 

そもそも何故音声をとっているのかというと、自分のナンパの振りかえり、成果の保証、成長するための縛りを設けるためです。

 

毎朝、通勤の電車で自分の声掛けを振り返ってきました。

 

めっちゃ苦行です。

 

収録されてる自分の声はキモいし、トークが空回ってイタい感じになっていることもあるので、聞くに耐えないシーンが多い。

 

でも今、約2年間の活動を振り返ってみて、自分の成長を支えていたのはこうした音声の地道な振り返りと改善だったなと思います。

 

自分は酒をほぼ飲まないので、スト中そこまで平常心を失うことは無いのですが、

 

テンションが高くなって絶好調に感じる時のトークを、一晩寝かせてから聞いてみるとスベり散らかしていた(ウケていない。相方のトークを邪魔している)、ということが少なくありません。

 

冷静な時に、冴えた頭で、触れたくないことの中にある現実をしっかりと受け入れて向き合うことはとても大事なことだと思います。

 

 

 

次いで、成果の保証について。

 

これは端的に言うと、「めっちゃ頑張って達成した成果を、嘘だと思われたくない」ということに尽きます。

 

自分はまだまだショボ腕なので、1即1即に大変な苦労をしています。

 

必死こいて成し遂げた即を捏造だと思われたら嫌だな、という気持ちが結構あります。

 

ぜってー嘘やろwwwという様なネタ即もやってきましたが、全て事実だと断言します。

 

そのエビデンスを、録音という形で残すことにしました。

 

 

 

後は、自分を成長させるためにも、録音という縛りが必要だと思っています。

 

嘘の発信で承認欲求を満足させて、目標達成のための努力を怠るという事態を防ぐために音声をとろうと考えました。

 

凄いと思われたい!という虚栄心が沸いた時、

 

虚栄心を燃料にして実際に凄い人になるべく努力するのか、虚栄心をただ満たすために嘘をつくのか、どちらが為になるか考えると明らかに前者です。

 

そういう意味で、見栄でつく嘘というのは自分の成長を大きく妨げるものだと考えていますが、自分は心が弱いので、抑止力が必要でした。

 

特に、47都道府県性覇旅において、ズルをしたくなる場面は多々あります。

 

人のいない福井や島根、無人の野を何時間も徘徊し、コンビニやドンキをローラーしてやっと連れ出した案件にホテル内でグダられ、自分は負けを喫しました。

 

その時、録音開示という縛りがなかったら、「もう性覇でええやん。同行者の前でホテルインは見せて、セックス未遂まではいったんやし」等と考え、Twitter福井県性覇!などと書き込んでしまうかもしれません。

 

それでは意味がない。

 

別に自分は業者をやっているわけではないので、47都道府県性覇は「自己満足」と「成長」のための挑戦です。

 

嘘で空威張りをしても仕方がないです。

 

勝負のキワまで頑張り抜いて、時にみじめなリアルを発信し、奮起することが自分の成長と確固たる自信を得ることに繋がる、それがまた自分の人間的な魅力になるんだと自分は信じてやみません。

 

引き続き録音は徹底する所存です。

 

 

(終)

 

 

M-1 GP ( IN-1 参加者 好感度ランキング )

【M-1GP( IN-1 参加者 好感度ランキング )】

 

 

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おはホモ!

 

有休を取得し、京都府にある肛門科でこの記事を書いています。

 

先日行った11日間の西日本バイナンパ遠征ノックにて、鳥取県性覇の際に外国人のデカマラをくわえ込み裂傷を負った後、間髪入れずにハッてん場で4人の男達と盛りあったためです💦

 

問診の際、医者に事の経緯をオブラートに包んで説明すると「精神科にも行ったほうが良い」とのご提言をいただいてしまいました💦でも負けません!!!

 

 

 

さて、ここからは先日某所で開催された「IN-1(田舎ー1)グランプリ」に参加していた、素敵な11人の男の子たちを独断と偏見でランキングしていこうと思います♪

 

 

 

 

 

 

 

 

11位 むねのり (北国)

 

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俺とヤるくらいなら50歳の女の方が良い、という旨の発言があったことと、告白してもいないのにフってきたことが大幅減点に繋がり最下位となった。

もう絡むことはない。早く本州から出ていけ。

 

 

 

 

10位 るてぃお (シコ区)

 

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じゅうたんの様なアウターを着ているな、という印象。

その他、特に言及することはない。

ちなみにこの冷淡な態度と、先日彼にペアルックデートを拒否されたこととは全然関係ない。

 

 

9位 かずや (牛ベロ)

 

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突然の出会いからロマンチックなデートをした後、二人で抱き合いながら寝て、いつの間にか霧のように消えていてほしい。

 

牛タンへ行く際は、よくお世話になっていたのでその点でも高評価だったが、先日「メンタルさんも大会参加候補だったらしいけど、参加してたらゼンリー交換するはめになってたから不参加でよかった」とのツイートが。

 

ゼンリーなんか必要ない自力で見つけ出す自宅職場彼女宅キセク宅よく行くスポットかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさんかずやさん

 

 

8位 ウォー掘る (シコ区)

 

 

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遊び人感、こなれ感、今日ちょっとヤっちゃってもいいかな感。

実は自分とものすごい共通点があって勝手にシンパシーを感じている。

(ホルさんご本人はたぶん気づいてない)

 

共通点の内容は…ヒ・ミ・ツ💛

 

 

7位 おきんたまでかお (柿の国)

 

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大会中、さんざ女とヤった後にそそくさと町へ再インして、信号待ちのわずかな間でさえ「ええガタイですね」とか言って俺の体を撫でまわし、ギラつき散らかしたことは忘れません。

 

エゲツナーイ、性欲ヤデ!!!

 

ps ほんまに金玉がデカいんかどうか確かめさせてほしい。見るだけでもええから。

 

 

6位フィズ (鯱の国)

 

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大阪のストで箱のような立ち振る舞いをしていた姿が、界隈入り後間もない自分に強烈なインパクトを残した。

その激流のようなノリと勢いで口説かれる女の子達は、このまま飲まれちゃってもいいかな、と思うんだろう。俺も思っている。

唯一、ボズらなくても俺とヤリたいと言ってくれた人。すこ。

今度は味噌でクソみそしたいな♪

 

 

5位 kyo (魔境)

 

 

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とってもすこ。

どちらかというと、遊び相手と言うよりは結婚したい枠。

今からでも遅くないのでkyoさんとのセックスキャスしたいなあ。

 

もしホモセするはめになったら、車で俺を轢くとの発言があり肝を冷やした。

 

kyoさん、殺してくれてもいいよ。

 

でも、最後の時はあなたの腕の中で逝かせてね。

 

 

 

 

4位 空条 (魔境)

 

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唇がえっち。顔がとにかく可愛い無理♡

若いころの自分だったら、一位に選んでたと思う。

メンタルさんとヤる夢を見た、とか言われちゃったら嫌でも意識するっつーの!///

 

 

 

3位 モニカ (アメリカ)

 

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すき。バカ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2位 ヨシノホーム (明太子)

 

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!

 

ガタイ良し!顔良し!ノリの良さと愛嬌もあるシケェ兄さん!

 

始終笑いの絶えない楽しいセックスしてくれそう。

 

シコる時のオカズローテーションで三回に一回は出てくるし、兄さんでシコると良いのが出る!ヨシホー!

 

オンラインでもよく絡んでくれ、まめに好きって言ってくれる人!すこ!

 

ニューフェイスながらトップ2にランクイン!

九州の愛されキャラはバイセクシャルにも愛された。

 

 

 

 

でも、一番ではないの。ゴメンネ。

 

 

 

 ※この記事の執筆中、テストで下書きを一瞬だけ公開した際、たまたまヨシホーさんがこのブログを覗いており、結果がチョンバレするというハプニングがあった。はぁ~すこ。

 

 

1位 貴虎 (牡蠣の国)

 

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駆け出しの頃、初めてのソロ遠征で合流してくれた人。

ちょうどその時に100即を達成してたはず。

 

可愛いお顔や雰囲気とは裏腹にゴッツイ腕前と胆力を併せ持つギャップにやられた。

 

以前、彼が大会中に大変なトラブルに巻きこまれて、大人数の輩や警察に囲まれたことがある。

 

解放後に他のクラスタから「危ないから別の場所でやれ」と言われた後も、ここで勝負すると言い、頑としてその場を離れず声をかけ続けてた。

 

かっこええ。見た目とか実績だけじゃなくて、男として尊敬できる人。

 

色々考えたけど、スペックがどうとか、ちんこの良し悪しがどうとかでは、彼への愛情を覆し得ないなと思った。

 

もうアカウント消しちゃったみたいだけど、どっかで見てくれてると良いな。

 

貴虎くん、今までありがとう。

 

無名だった自分と合流して優しくしてくれたこと、心細いGT中励ましてくれたこと、ストについて色々と教えてくれたこと、忘れません。

 

コンビ連れしたときは上手く立ち回れなくてごめんね。

 

あれから多少は上達したので、今度はきっとオイシイ思いをさせてみせます。

 

またどこかで会いましょう。

 

Love you

 

 

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(終)

 

 

 

 

モテの正体

 
 
 
彼女と出会ったのは大学に入学してすぐの頃。

友達がノリで開いた新入生同士の小規模な飲み会だった。

意気投合して、この時の顔ぶれがグループ化し、皆で日常的に集まったりするようになった。

俺は最初、彼女のことを特に意識しておらず、気兼ねなく話せる友達の1人くらいに思ってた。



契機になったのは、GW前。

色々あって、心身共にめちゃくちゃ追い込まれてた。

彼女は優しかったから、SNSや学内でしんどそうにしてる俺を見てよく気遣ってくれた。

彼女には好きな人がいるらしいという話は聞いていたから、変に勘違いすることはなかったんだけど、

友達としてずっと支えてくれる彼女に、いつしか恋心を抱くようになっていた。



そして俺は、この後この子に4回フラれることとなる。



1回目。

講義の合間、暇になって自宅で一緒にいるときに、思い付きで隣県の観光地への日帰り旅行を提案した。

むこうも乗り気だったこと、2人で過ごすときの雰囲気、そもそもよく自宅に来ていることから、手応えを感じていた。

結局、なんやかんやで行き先は近場のショッピングモールになってしまったんだけど、それでも嬉しくて仕方なかった。

映画を見て、感動した彼女が泣いてしまったのを覚えている。

泣くほどの感動を共有できて、心の距離がさらに縮まった気がした。

住んでいた街に帰って、予約してたちょっと良い店で夕食。

話は弾みっぱなしだった。お互いのボルテージが高まっているのを感じる。

そのまま家へ。

経験の浅かった自分は、この時点で勝ち確だと思ってた。

一方、死ぬほど緊張もしていて、何度もトイレに立って告白のセリフを反芻し、やっとの思いで気持ちをぶつけた。

好きだから付き合ってほしいと。

笑顔の彼女。

「いや、それは無理だわw」

余りにもあっけらかんと答えるから一瞬呆然となる。彼女はへらへらとしていた。

いやいや、ネタやなくて!w

と自分が続けて、何故好きになったのか、どんな気持ちなのか、真剣な表情で語り始めると、彼女は押し黙った。

とても困った顔をしている。

やがて彼女は、気まずそうに口を開いて謝ってきた。

どうしても、男としては見れないわ。と。

その場で泣きたい気持ちを押さえて、おっけおっけ!と明るく振る舞い、彼女をマンションから見送った後さめざめと泣いた。

人生で一番の失恋だった。





その後、グループで会うときの彼女は気さくに接してくれて、友達としての関係は続いていた。

そんな中で、ひょんなことから彼女が同じグループ内にいる自分の友達が好きなことに気づいてしまう。

悟られてはいけない。

友達はとても良い奴なので、俺が彼女を好きなことがバレれば、友達は俺に遠慮して彼女を相手にすることは無いだろうと考えたからだ。

ベタなヒロイズムに酔っていたところはあると思うけれども、

もし友達が彼女を好きになれたら、二人で幸せになってほしい。

損得抜きでそう思うくらい彼女が好きだった。




2回目。

彼女に恋人ができた。

それは結局、俺の友達ではなくグループ外の人だったんだけれども、なんやかんやで彼女は幸せそうだった。

友達とは進展がなかったのかなと思い、彼にそれとなく話を聞いてみた。

彼女から何度か飯に誘われて同行したけど、特に何もなかったとのこと。

それってお前のこと好きやったんちゃう?と尋ねると、「あの子とどうこうなるつもりはないからなぁ」と答えていた。

つまり、彼女は友達にアタックを仕掛けてみたものの、結果が振るわなかったため、言い寄られていた今の彼氏と付き合った、という運びの様だった。




そこからしばらくして、彼女が破局したことを知る。

いても立ってもいられなくなって、露骨過ぎるかなとは思いつつ、速攻で彼女と連絡をとり、自宅まで行った。

ひとしきり喋った後、帰り際に2度目の告白。

今度は冗談だと思われないように、最初から真剣味丸出しで思いの丈をぶつけた。



「分かった、ちょっと考えさせて。」

という返事。

オーケーされた訳でもないのに、嬉しすぎて叫んでしまったのを覚えている。

声出すな(笑)

と、笑顔でつっこんだ彼女と別れた後、嬉々としてチャリを爆走させながら帰った。

うわああ、と歓喜の声が漏れる。

事の次第を知る地元の友達にすぐ報告して、

「女の保留はNOやぞ~(笑)」と、からかわれたりしつつも、有頂天の日々を過ごした。

しかし、そこから彼女との連絡がつかなくなってしまった。

翌日も翌々日も、

ラインが既読になることはなく、忙しかった自分は、その週グループで顔を合わせることもなく、1週間ほど彼女との接触は無かった。

しばらくして、学内でちょうど健康診断があった日。

彼女から1通のラインが届く。

恐る恐るメッセージを開封すると、

『長いこと待たせてごめん。考えたけど、やっぱりメンタルとは付き合えない』

とのことだった。

凹みすぎて問診の時に医者から心配され、事の経緯を説明してカウンセリングルームに連れていかれた話は今でも語り草だ(笑)。






それから彼女は、ずっと恋人を作っていない。

やはり、友達のことが好きなようだった。

ある時、友達に振り向いてもらえなくて病んだ彼女の様子を見て、深夜に遊びへ連れ出したことがある。

心底悲しそうだった。自信を失っていた。

その姿があまりにも辛そうで、俺は彼女の心を少しでも救いたい一心から

「俺は○ちゃんが好きやねんけどなあ」

と言い、肩を抱こうとした。

触れる直前、悲しげな彼女がぼそりと呟く。

「(メンタルじゃ)ダメだって」、と言われた。



キツすぎるwww

とか言いながら、どうしようもない気持ちになった。





まあ、暇やからもうちょいおるわ。



抱きしめようとした手は虚空をかいて、彼女の肩をぽんと叩いた。

翌日、早朝から部活があったけど、必死になって笑いをとったりしながら、夜明けまで彼女に寄り添った。  

つれない態度をとられていたけど、それでも彼女が好きだった。




それが3回目の告白。

それからも、お百度まいりのごとく俺は繰り返し繰り返しアプローチを重ねた。

彼女の好きなアーティストのCDを聞いたり、何度も遊びに誘ったり。

皆で遊んでるとき、彼女が好きな友達と彼女が良い感じになっているときは、そっとフェードアウトした。




年数を重ねるごとに彼女の魅力に気づいていく。

ぶっきらぼうだけど、責任感が強くて人を気遣えるところ。

聡明で、おもしろい物の見方をするところ。

わけわからん変なものが好きなところ。

端から見たら、なんでそれが良いんだと思う部分もあったろうし、

目の前で、彼女が自分の友達にときめいているシーンを見て、さらにそれを後押しするのは辛かったけど、

嫌なところも良いところも愛しく思えて、無償の愛情を注げることが恋だとするならば、自分はそれに落ちていた。





そして、最後となる4回目の告白は、自分の卒業間近の時。

向こうは地元に帰ってて、俺は就活真っ只中。

選考のついでに彼女の地元近くで飯を食った。

お金無いでしょと彼女がご馳走してくれた洋食屋、本当に美味かった。

悩みを聞いて励ましてもらう構図が入学初期の頃を彷彿とさせる。

ただ別れ際、就活頑張れ!と、背中を叩いてくれた彼女の様は、悲しいかな完全に友達のノリだった。



報われることはなかったけど、ここまで人を好きになって、まっすぐぶつかり続けられたことは良かったなと思う。

その後、彼女は東日本、自分は西日本に就職。

卒業後1,2年目くらいはたまに遊んだりもして、良い友達関係は続いたけれども、あえて連絡をとらなくなった。

袖にされ続けた過去をバネにして、一念発起しナンパ界隈に足を踏み入れることになるからだ。

自分の人生を変えてやるという並々ならぬ覚悟で、ショボ腕の鈍足ながらもこつこつと努力を積み重ねていた。

そんな中、彼女の職場近くに出張が入り、アポを組むことになる。

前置きが長くなったけど、今回はその時の話。



ーーーーーーーーーーーーーー



泊まっているホテルのエレベーターが1階につき、彼女の待つフロアへ降りる瞬間、急に動悸が止まらなくなった

立ち止まって、精神を整える。

23歳の時、競技人生で一番の大舞台に立った時の事を思い出していた。

未踏の舞台で委縮している自分に

『もうこっからは、勝とうとせんでええよ。』

と、電話で地元のコーチが言葉をかけてくれた。

これは、「いつも通りの動きを再現することだけに徹する」のが、勝つための最善手であって、勝ちたいと思う気持ちは雑念となってパフォーマンスを下げる、だから勝ちたいと考えなくていい、という旨のアドバイスだ。

十分な練習は既に済ませてきていると。

あとはそれをなぞるだけ。

今日だってそうだ。

死に物狂いの努力を積み重ねてきた。

2445声かけ、197連れ出し、48アポ

ナんパ開始から一年半ちょっと、ストリートで経験してきた案件との対戦数だ。

文字通りの百戦錬磨。

つい数時間前も、既に1即を終えている。

舌の体操と深呼吸、ネタ帳の見直しを行い、歩き出す。

平生の努力、成功体験の回顧とルーティンは気持ちを落ち着かせ、自分の目には自信が満ち溢れていた。




彼女はロビーのソファーに座っていた。こちらに気づいて、歩み寄ってくる。

とても大人っぽくなっていた、ように感じる。

硬くなっている自分とは対照的に、向こうはとても気さくで、自分と相手の温度差を再確認させられた。

昔と同じように1つ2つ軽口をたたくと緊張はほぐれて、和やかなムードで店へと向かった。




横並びの席で会話する。

いざ口説きが始まると、不思議と落ち着いている自分に気づいた。

いつも通りだ。

近況や仕事、人間関係の話。最近あったおもろいエピソード。

彼女の物の見方はおもしろい。

エピソードトークを話すと、いつも自分の考えが及ばないところから意見を飛ばしてくる。

言葉を投げかけ、反応を拾って、広げたり、切ったり、自然な流れで次の話題へ。

いじるし、ボケもする。

その中で好意をほのめかすけれども、前のめりにはならない。

師匠 伊右衛門がいつも口にしていたアドバイス

要所要所で鉄板のネタ話も披露した。

ナンパ始めてから作ったもので、200人近くに試してほぼ毎回笑いがとれたやつ。安心感が違う。

その一連のやりとりで楽しそうにしてくれる彼女を見て、自分も心から楽しかった。

話が尽きない。

会えなかった時間を埋めるように会話を重ね、

流れるように夜は深まっていった。



 
当初の予定90分、を少し超えて2時間が経過したとき、唐突にその時はきた。

「ちょっと酔ったかも」

酒豪の彼女から初めて聞く言葉だった。

酒はそんなに入っていない。

甘えるような視線が、頃合いを告げていた。

そろそろ出よかー、と言って店外へ。

酔うたやろ。捕まっとき、と言って彼女の肩を抱く。拒絶は無かった。

初めて感じる彼女のぬくもり。

無言でホテルの前まで歩く。

立ち止まって、恒例の神戸プリンルーティンを発動する時。



声が出なかった。



定量的な食いつきのサインが見えて、自分の部屋から見える夜景が綺麗だという布石も打っている。

でも怖かった。

ここまでの間、彼女と築き上げてきたものが壊れるかもしれない。 

気まずくなったらもうグループで集まることはできなくなるかもしれない。

という恐怖が、自分をすくみ上らせていた。

リアルコミュニティならではの難儀さを感じる。



「もうちょい一緒におりたいわ」



自然とそう発していた。

最後に彼女へ繰り出したのはルーティンではなく、素の気持ちだったと思う。

いいよ、と彼女は答える。感情が読めない声だった。

エレベータに乗り、フロアへ上がって、部屋へ。

予めカーテンを開けておいた窓から細い光が差し込み、部屋をムーディに照らしていた。

彼女をベッドに誘導し、自分も横に座る。

肩を支えながら、また話し始めた。

ちょっと深い話をする。

彼女は胸襟を開いて話してくれた。

ここ数年、家族や友達と離れ離れになって寂しいこと。将来への不安。学生時代の楽しかった思い出。

会ったときから気になっていた彼女の物憂げな雰囲気、それはひとえに環境の変化で起こった寂しさからくるもののようだった。

彼女は家族ととても仲が良かったから、その辛さは想像に難くない。


「寂しいよな、社会人生活。周りの人はいなくなるし、新しい環境の人間関係は薄いしさ。」

「うん」

「学生時代、つるんでて楽しかったわ。ほんまに好きやったんやで。」

「嬉しいとは思ってたよ。友達にしか見えんかったからしゃあないじゃん。」

そう言う彼女の目を見つめる。

ぱっちりとして、色の深い瞳が揺れていた。

その視線が、体の距離が、呼吸のかすかな乱れが、自分にサインを告げていた。

「今は?」

問いかけると、口をつむぐ。

彼女の肩を抱き寄せ、唇が重なった。

そのまま、折り重なって熱を合わせる。

グダは無かった。

何度も渇望した彼女の温もりが自分を包んで、なんだか無性に泣きたくなってしまった。

自分を受け入れてもらえるという事がこんなに嬉しかったことはない。

ただ、どうしてもなし崩し的に事が終わってしまうのが嫌で、自分は一度彼女から体を離して向かい合う。

熱っぽい顔の彼女の目を見て、まっすぐに、5度目の告白をした。
 
「付き合おや」

へりくだらない。驕りもしない。堂々とした態度で意思を示す。

彼女は
 


「うん」

と言った。




その時の表情は、今まで自分が告白をして振られた時の困った顔ではなかった。

それは、自分を形成する全てのものが劇的に変わったからだと思う。

顔面にメスを入れて獲得したスト値が
練り上げてきたトーク
こすり倒したルーティンが
洗練されたノンバーバルが
艱難辛苦で鍛え上げられたメンタルが

何度ぶちあたっても拒絶してきた彼女から「うん」を引き出した。

それは、ナンパ活動を通じて得られたものに他ならない。

この界隈には、「非モテ」という言葉がある。

異性に好かれない人やセックスできない人を指す。

では「モテ」とは何なのか。

不特定多数の異性から言い寄られる人、セックスに不自由しない人か。

一般的な解釈としてはそうなのかもしれないが、何となく釈然としなかった。

それが今日、明確になった気がする。

「変わったね」と言う彼女を見て

このためや、と思う。

自分の理想とする人を魅了し、心から幸せになる力。

それが自分の考えるモテであり、そのための努力を自分は積み重ねてきたんだと。

文字通り、海千山千超えてきた。



11ヵ月間 即れなかったホーム関西のストリート

東北の凍える夜

灼熱の南海

チームプレイで性覇した九州

完ソロで踏破した台風の四国 

くたばるまで頑張った東日本ストナンノック



自分の無力さに何度うちひしがれただろう。

挫折するたびに、たくさんの人に支えられ、立ち上がり、自分の脆弱なメンタルは強くなっていった。

その努力をもって、彼女は自分の彼女になった。

どうしても男として見れないという、何年にも渡る彼女の評価を覆したんだ。

ありがとうナンパ。

死に物狂いの修行の末、手にした彼女を強く抱きしめる。



これから、どうなるかは分からない。

向こうにもっと良い人が現れて、彼女を奪われるかもしれないし、仕事で国をまたいで離れ離れになるかもしれない。

急に気持ちが冷めたり、どちらかが急逝する可能性だってあるだろう。





でも、もしこのまま、この子と幸せになれたら

初めてフラれた日のように、泣いてしまうんだろうなあ

(終)

遠征ストナンノック3日目 神奈川県 港町の天使

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【3日目 神奈川県 港町の天使】

 

神奈川県。

 

県の人口では大阪を上回るが、自分がストを開始した横浜駅周辺は、想像よりも人の流れが大人しかった。

 

旅ナンパ界のトップクラスタが作られた、「47都道府県ナンパしやすさランキング」では9位。

 

宿に向かいがてら声掛けをしても反応が良く、街は多様な地形を擁していた。

 

ショッピングモール、広場、飲食店の立ち並ぶ路地、そのすべてに結構な人がいる。

 

この人の多さ、都会の割に高いオープン率、連れ出しや搬送先の充実とアクセスの良さ等がトップ10入りの理由かと今となっては思う。(遠征当時ランキングは存在しなかった)

 

ちなみにナンパ箱はなく、同規模の他県の街と比べると枯れる時間帯が早いらしい。

 

ホテルへチェックインし、シャワーを浴びてすぐさま町へ繰り出した。

 

時刻は20時前。駅前から、若者の集うビブレ前広場まで声掛けをしながら徘徊。

 

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横浜駅前 ※画像はネットから拝借)

 

 

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 (パルナード通り ※画像はストリートビュー

 

可愛い子が多く、話もしっかり聞いてくれるが駅前は通行量が多く案件が足早で、店の立ち並ぶパルナード通りは、道幅が狭くてやりづらかった。

 

案件の数が多いのに、1時間弱で数声掛けほどしかできていない。

 

いったん飲み物を飲んで冷静になる。

 

疲れもあるが、何よりも今日の自分は、人目が気になっているなと思った。

 

知り合いのほぼいない土地でもこうしたことはよくある。

 

何故だか無性に声掛けを見られることに抵抗が生まれる日があるのだ。

 

1年弱やってきたので、こういう時の対処法は心得ていた。

 

人が少ないところに移る。

 

たとえ声掛けの効率が落ちたとしても、人通りが少ない場所の方がパフォーマンスを発揮できると判断した。

 

ベタなストスポットを少し外して路地裏の方へ。

 

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案件の数がかなり減ったが、ぐっと声掛けをしやすくなった。

 

奥へ奥へと進んでいると、閑散としたビルから出てくるファンシーロリファッションの案件を発見する。

 

メ「お姉さん、横浜の方?」

 

👩「あ、はい」

 

キンキンに高い、いわゆるアニメ声だった。

 

メ「めっちゃええ声ですね!今から声優の養成学校ですか?」「京都から来ました」「観光地までいくガッツが無くてこのへんで思い出作りできるとこ探してます」「ほんまは声優でしょ」

 

立ち止まってくれたので、和む。

 

愛想は良いが、ずっとヘラヘラしていて食いつきの程はよくわからない。

 

買い物に来たが目当ての店が閉まっていてどうしようかという所だったらしく、じっくり話を聞いてくれた。

 

👩「横浜なんもないですよ。スタバしかない(笑)」

 

メ「スタバあったら十分やん新作のケーキ味のやつのも」

 

で、連れ出し。案件をロリ子とする。

 

ビブレ内のスタバに向かうが、なぜか入店直前に終業してしまったので駅中の喫茶店へ。

 

どうせなら閉店間際に注文して追い出されてからのホテ搬を狙いたかったがタイミングを逃した。

 

 (削除)

 

 

円形テーブルに横並びに座って、早々に恋バナ。

 

ロリ子は19歳の学生で、恋愛経験は乏しめの真面目な子だった。

 

自分が風水師の資格を持っていて、手相も見れるとかいう謎の嘘をついて手相ルーティーン。

 

手を触りながら、ちょっと悪い物が憑いてるかもしれんとか適当に言っていると、ロリ子の顔が一気に暗くなる。

 

詳細は書けないが、ロリ子は家庭や学校生活で重めの問題をしょっていた。

 

話が重すぎて場の空気がぐっと悪くなってしまったことを悔やみつつ、ひとしきり話を聞き、慰める流れからのギラも試みたが、反応が悪い。

 

これは無理やなと思い、最後にパパっと悪い憑きもん祓っとことか言って個室に誘導しようとするも通らず解散。

 

再び駅西口に出撃し、声をかけるが、イマイチ気持ちが乗ってこず、また人の少ない通りへ。

 

ちょこちょこ声をかけつつ進むと、ゆったりと歩くホロ酔いの案件を発見した。

 

メ「お、おねえさん横浜の人っぽいですねー」

 

👩「まあ、はい(笑)」

 

メ「2時間くらいこの辺で観光できるとこありませんか?」

 

👩「観光ですか?」

 

メ「はい。観覧車乗りたかったんですけど、調べてみたら電車乗らなあかんみたいで。歩いて行けるとこで何かあります?」

 

👩「うーん…こっちが飲み屋街で…あっちはベイクォーターってとこがあって、夜景とか〇産のビルとか見れます。あんまり興味なかったらあれですけど(笑)」

 

メ「いや、僕夜景好きですよ!」

 

案件はとても愛想が良く、めちゃくちゃ熱心に観光地のアテを探してくれた。

 

話が弾んで、笑顔を向けてくれる。

 

飲み帰りで程よく酔っており、今から帰るところだという。

 

いけそうな感じがしたので、打診することにした。

 

メ「ベイクォーターよさそうですね。でもよう考えたら2〇歳の男一人でそこ行って一人で自撮りして一人で黄昏るんも寂しいな。それするんやったら、旅の思い出にお姉さんと居酒屋でちょっと飲んだりしたいんですけど、どうですか」

 

はじける笑顔で快諾してくれた。

 

飲み屋のある方へと歩き出す。

 

アツそうな案件だった。名前を浜子とする。

 

食いつきは随所に見られた。

 

これってもういよいよ本格的なデートですねと言うと、割としっかり目に恥ずかしがり出す。

 

移動中のエスカレーターで、一段上にいる彼女がカラコンのついた自分の目をのぞき込んできた。

 

浜「目ぇめっちゃ綺麗ですね」

 

メ「なんぼでも見ていってくださいね。俺もおねえさんの目見たいし」

 

浜「口説いてはるんですか?(笑)」

 

メ「そう思うんやったらそうちゃうん」

 

浜「(笑)」

 

メ「お姉さん関西の人なん?」

 

浜「そうですよ」

 

浜子は関西某県出身で、大学進学から関東に出てきていた。

 

話が盛り上がる。距離が近い。

 

飲み屋街に向かって歩いていたが、高い食いつきを感じたので夜景スポットで強めに攻めることにした。

 

行き先を浜子が勧めてくれたベイクォーターへ変更する。

 

ベイクォーターは、様々なショップを擁するショッピングモールだった。

 

海辺のライトが煌びやかに施設を照らし、横浜らしいおしゃれな雰囲気を醸し出している。

 

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(画像はHPより拝借)

 

 

歩いていると、人目を避けて座れるスペースを発見した。

 

近くの自販機で飲み物を買い、二人でそこに腰かける。

 

いやあ、こういいのでいいんだよ。とか言いながら、夜景を見て語り合った。

 

 

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恋愛からシモの話へ。

 

浜子は今彼氏がおらず、ワンナイトや浮気経験もあり。

 

手相を見ていても、行けそうな雰囲気があった。

 

メ「エロ線長いなー」

 

浜「wwwwwwwwwww」

 

メ「めっちゃ笑うやん(笑)」

 

浜「あたってるからw」

 

アツイ。

 

口説いて、ええなと思ってることを伝える。

 

ただ、褒めにかかった時の謙遜がすごかった。

 

メ「ええなと思わんかったら飲みに誘わんて。何で俺横浜まできてビミョいやつと飲まなあかんねんよ」

 

浜「まあそれは確かに(笑)」

 

メ「逆に俺は有りちゃう?」

 

浜「ありあり!」

 

メ「何点?」

 

浜「80点、優!」

 

なぜ成績評価形式なのかちょっとよく分からなかったが、食いつきがあることは確定した。

 

単位は出ているし大丈夫だろう。

 

しかし、そろそろホテル打診をしようかという時、また自分はうっかりと地雷を踏んでしまい、浜子は過去の恋愛におけるトラウマを話し始めた。

 

これもかなりヘビーな話で、目上の男から惚れた弱みにつけこまれて搾取され続け、警察沙汰になったという内容だった。

 

一連れ目と同じような、気まずく重い空気が流れ自分は内心焦りながら必死のリカバリーを図った。

 

メ「忘れよや、俺も手伝うし」

 

寄り添い、肩を抱く。

 

浜「めっちゃ攻めてくるやないですか」

 

メ「俺は積極的なん悪いことやと思ってへんけど。とりあえずもうちょっと二人でおりたい」

 

浜「…ええよ」

 

メ「神戸プリンわかる?」

 

浜「知ってるで」

 

メ「今、部屋に箱であるねんか。それ食べへん?」

 

浜子が了承する。

 

ほないこか、と立ち上がり、早足に歩き始めた。

 

少し宿から離れてしまっている。

 

浜子が終電を死守すると言い出した場合、残り時間は一時間程度。

 

急ぎながらも、手を繋ぎ、雰囲気を作ることを意識しながら色々な話をした。

 

浜子は本当に純粋で、天使のような子だった。

 

その純粋さゆえに犯罪に巻き込まれたが、人と真摯に向き合い、信じる心も失わずにいる。

 

フロント前を通過し、部屋へ。

 

しかし、部屋に入った瞬間、浜子の表情が硬くなった。

 

ひとまずベッドに座り、たわいない話をした。

 

もうすぐ関西で事業を始めるらしく、今日は現職場の先輩と送別会的なことをしていたそうだ。

 

えらく泣いてしまったという。目も充血していた。

 

メ「目ぇあかなってるやん」

 

浜「いつもやわ。よう泣くから」

 

ちょっと見してみ、と言って近い距離で見つめ合った。

 

こちらの思惑は伝わっているはずだ。

 

そのままキス。グダ。

 

もう一度見つめ合う。

 

悲喜こもごもとして、照れているような悲しそうな、何ともいえない表情と、こわばっている体が、複雑な彼女の心情を物語っていた。

 

「可哀そうになあ、まあたまには甘えとき」

 

そう言って優しく抱きしめる。

 

しばらくすると、徐々に緊張が解けていくのを感じた。

 

キス。

 

通って、そこからはノーグダで求め合う。

 

そびえ立つG杯を堪能しながら無心で腰を振り、数日間たまりにたまった精液をぶちまけた。

 

やっとこさ即をなして一番こみあげたのは、喜びよりも何よりも、安心感だった。

 

初めてのノックで日々どんどん低下していく気力と体力に焦りを感じていた。

 

即の稼ぎどころであると考えていた味噌での2日連続ノーゲット、仕事とストの疲れ、睡眠不足。それらがすべて吹き飛ぶような、大満即だった。

 

行為後、浜子が泊まりたいと言ってきたので、今夜は一緒に寝ることにした。

 

一人でランドリーに洗濯物を突っ込んで一息つき、即報をしたためた後、ベッドへ。

 

浜子の体を抱き寄せると、声をかけてくれてありがとう、と言ってくれた。

 

その言葉が数日間拒絶を繰り返された自分の胸に心底染み渡る。

 

こちらも、言葉では表しきれないほどの感謝を伝え、幸せを噛みしめながら眠りに落ちた。

 

 

神奈川県、性覇

 

 

 

<3日目総括>

 

声掛け8

バンゲ1

連出し2

ホテイン1

即1

 

(つづく)

遠征ストナンノック2日目 味噌 陰と陽

 

 

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2日目 味噌 陰と陽】

 

 

 

A子は一人ではなく、集団と一緒にいた。

 

A子を合わせて女4男4。

 

二人で店に移動しようとするやいなや、A子が集団の中から女の子を一人呼びつけ、「この子も行くから」と言い出した。

 

ごっつ癖の強い子だった。

 

がっしりとした体躯にパンクな服装、人当たりのよさそうな顔には所狭しとピアスが付けられている。

 

昨日A子と行ったバーの店員らしい。ピアス子とする。

 

今日のアポが成立した経緯を説明すると、A子にダメもとで朝送ったラインに返信があり、つい数時間前に弾丸で会う流れになったのだ。

 

あんな毒吐きながら立ち去って行ったのに何なんだとも思ったが、なんせA子がタイプだったこと、ホテルで挿入前までいけたこと、タイマンならばという思いからリベンジに至った。

 

しかし、ピアス子が来て逆3となった時点でまた昨日の焼き直しだ。

 

どうするか悩みつつ、A子の希望で最寄りの焼き肉屋にインした。

 

女子二人がハイテンションでよく喋る。

 

絶対食われへんって!と制止する俺を遮ってA子がバカみたいな量のレバーを注文しだした。酒もジャンジャン来る。

 

昨日は飲まなかったことをさんざディスられたため、ペースに気を遣いながらも必死で酒を消化した。

 

ほぼ寝てない10時間勤務後の体で、ハイテンションギャルに対応しながら肉を食い、苦手な酒を流し込む。

 

しんどい。ほんまにしんどい。

 

これがまだノック二日目という事実に愕然とした。

 

一軒目で出来上がっている彼女らのテンションはバカ高く、ノリと勢いとハラスメントだけが場を支配していた。

 

トークスクリプトや恋愛工学のテクニックは機能しない。

 

それでも何とか食らいつき、次に繋がる布石を打とうとしていた。

 

小一時間ほど経った頃、女性陣の箸が止まった。

 

二人とも苦しそうな顔をしている。

 

A子「あー腹いっぱいもう食えん」

 

俺「やから言うたやん()多すぎやて」

 

A子「うるさいな、処理するから大丈夫だって」

 

おもむろに携帯を取り出して電話をかけるA子。

 

ピアス「メンちゃん男やで食べてやあ」

 

メ「酒で気持ち悪いねん」

 

A子「こいつシャバいから無理だよ」

 

メ「あ?」

 

とか小競り合いを続けていると、テーブルにチャラそうな男がやってきた。

 

男「ふい()

 

男はおもむろに着席しだすと、黙々と残されたレバーを食い始めた。

 

俺「いや、ふい()やなくてほんま誰()

 

A子「友達!肉食べに来てもらった」

 

男の登場で盛り上がりはピークに達し、酒がガンガン進む。

 

ウォウウォ!ウォウウォ!と壊れたラジオの様に繰り返すA子とオーディエンス。

 

このトチ狂ったノリと内輪ネタのオンパレードに置いてけぼりを食らっていた。

 

加えて、猛然とこみ上げる吐き気。

 

これは無理だ。

 

ここで、諦めてしまった。

 

自分は人形の様に喋らなくなり、解散になるのを待って、店を出た。

 

A子と知り合いの店員が店先まで出てきて、今度は二人で取っ組み合って騒いでいる。

 

その横では、吐き気を催して路上に粗相しながらも次の店の予約を取る男がいた。

 

その様子を、完全に一線ひいた所から見ている自分に気づく。

 

自分の性根は陰キャだ。

 

体調も翌日の事も気にせず“今”を楽しんでブチ上がりまくる陽キャ集団と、属性の違いを見せつけられていた。

 

そこからの記憶はあまり定かではない。

 

「こうなるんは分かっとったけどな」とかワケわからん強がりをかましA子らと解散し、街に出た。

 

時刻は0時過ぎ。

 

眠い。足が痛い。

 

ふらふらと彷徨いながら、向こうから歩いてくる案件に近寄るが、目が合った途端逃げられてしまう。

 

全身から必死さと疲れがにじみ出てしまっていることを感じた。

 

前からはダメだ。

 

次はやり過ごして後ろから追いかけようとするが向こうの速度に追いつけない。

 

這う這うのていで必死に数声かけするも、オープンすらしなかった。

 

めまいがする。

 

眠い。アルコールで気持ち悪い。

 

このままではいくら続けても無駄だ。

 

一旦仕切りなおそう。

 

そう思って縁石に腰かけた。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

―――――――――――

 

―――――――

 

――――

 

――

 

気が付くと寝ていた。

 

時計を確認すると午前4時。

 

何時間くらい眠っていたのだろうか。

 

限界だったんだなと思いつつ、ホテルへ向かいベッドに倒れた。

 

明日から関東入りする。

 

ローカルが続くため、味噌よりも厳しい戦いになるだろう。

 

失意と不安に苛まれながら、泥のような眠りに意識を落とした。

 

<2日目総括>

 

アポ 1

声掛け 5

Lゲ 0

連出し 0

即 0

 

(続く)

 

【ノウハウ】常にトップパフォーマンスを発揮するには


先日、所属する実業団チームの取組で、「競技中、常にトップパフォーマンスを発揮する」ためのセミナーを受けた。

内容は下記の通りで、スポーツにおけるテクニックなのだけれども、ストでも有用だと思ったので共有したい。



人間には得意・不得意な「感覚の使い方」がある。

自分が得意な「感覚の使い方」を知り、毎回それを再現するようにすれば、あらゆる分野で常に良いパフォーマンスを発揮できやすい。という内容だった。

得意な感覚の使い方は、自分が物事に取り組む上で上手くいきがちな時の感覚の使い方を考えれば見えてくる。

それを基に、物事が上手くいかない時の感覚の使い方を修正すれば良いのだ。



ストナンを例にして具体的に説明する。

【①上手くいく時の感覚の使い方】

 歩いている(身体感覚)
→案件を発見する(視覚)
→すぐ近づく(身体感覚)
→声掛け・応答を聞く(聴覚)


【②上手くいかない時の感覚の使い方】

 止まっている
→案件を発見する(視覚)
→「オープンどうしよ。攻撃されたらどうしよ」という内部対話(聴覚)
→歩き出す(身体感覚)
→声掛け・応答を聞く(聴覚)


感覚の使い方の違いが見つかったら、①の順番に行動し、②を避ける。

そうすることによって、どんな分野でもパフォーマンスを高く維持できる、らしい。

個人的には納得のいく理論で、例えば「勉強」においても、下記の通り得意な感覚の使い方をしているときは上手くいきがちなことに気づいた。

 勉強用具を揃える(身体感覚)
→問題を見る(視覚)
→前回栞を挟んだページをひとまず解き始める(身体感覚)
→答え合わせする、指導を受ける(聴覚)

机に座った後ごちゃごちゃ考え事をしてから問題に取り組む形だと、中々エンジンがかからず捗らなかったと思う。

このように、スポーツはもちろんのこと、ストや勉強等でも使えるテクニックやなと思った。

スト中は常に①のパターンを意識し、「動き続ける中で案件を発見する」こと、「まずは声掛け」を実践していこうと思う。


最近、少しだけ調子が良い。

でも、今までは大体好調期の後に不調期があって、波の大きさにいつも苦しめられてきた。

まだまだ勝ち慣れているとは言えない状況だ。

いつも波を逃さないようにするにはどうすれば良いのかと考え続けてきて、今回手応えを感じたのがこの手法だった。

今後も、より上を目指しながら常にトップパフォーマンスを発揮できる工夫を探し続けたい。

(終)

「逆転の王様ゲーム 大阪スト初即の思い出」

 

男と手コキやフェ〇をしたことはあるだろうか。

 

ある人もぼちぼちいるだろう。

 

陽キャなんて飲み会のたびにやってるようなイメージだ。

 

陰キャの自分は、先日初めて体験したのだが、得た知見は「男相手でも案外勃つ」ということだった。

 

もちろん好き好んでやったことではなく、案件を即る中で必要に迫られてしたことだ。

 

大阪でのスト初即がかかっていた日で、めちゃくちゃ必死こいていた。

 

即の9割が遠征地であった自分の大阪スト初即。

 

その思い出を綴りたい。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

振るわない日だった。

 

夕方からMストをソロで開始して威勢よく声掛けをしていたが、とっぱじめに暴言を食らい、その後はガンシカ祭り。

 

チン付きに声をかけ、男から睨まれたりもした。

 

途中、事前に合流申請をもらっていた「ひよ」と合致し、同世代ということもあって楽しくコンビ等していたが、連れ出しすらない状態だった。

 

ひよと解散した時点で23時半。

 

今なら終電で帰れる。

 

疲労困憊の中そんな考えがよぎりつつも声掛けを続行した。

 

そんな時、TLに「ケンチャナヨ」さんの出撃ツイートを見つける。

 

彼はMを主戦場とするクラスタで、昨年の忘年会で一度顔を合わせたきり特に絡みも無かったが、とても人柄の良いイケメンで、自分は一緒にナンパしてみたいと考えていた。

 

合流申請を送ると快く承諾してくれる。

 

合致、KP。近況報告や雑談をしつつ、狙う層の擦り合わせやストの運びを打ち合わせた。

 

声掛けに移る。

 

自分がオープンを担当して、ケンちゃんがボケる。

 

ひと声かけ目で運よく連れ確までいきかけるも、ミテコのホス狂という癖案件で放流した。

 

その後、商店街を流れるコンビに声をかけ続けていくが、案件は捕まらなかった。

 

スト開始からぶっ続けで7時間。

 

泥のような疲労が心身を蝕んでいた。

 

眠気で瞼は下がり、13cmのソールが足を締め付けている。

 

でも、折れずにいられた。

 

ケンちゃんが、さっきの和みはここが上手かったとか、あの切り返しは絶妙だったとか、とにかく自分の気持をアゲ続けてくれたからだ。

 

ケンは酒、自分はコーヒーを飲みながら徘徊を続けていると、某橋のあたりでゾンビのようにフラフラと歩いているコンビ案件のビタ止めに成功した。

 

メン「すいませんお姉さん、今ちょっとシャ〇〇の香水付けてみたねんけど、臭いどう?」

 

案件A「え、私いま鼻詰まってるから分からん(笑)」

 

ケン「〇▲Φ×~(酔ったていで案件の前に出る)」

 

AB「(笑)」

 

メン「仕上がってるやろ?(笑) 今日、合コンポシャってもて男2人で今から七軒目やねんか。ハイボール23杯飲んだ後やからちょっと許してほしい」

 

A「ヤバ(笑)」

 

メン「いや、そっちのお姉さん目ヤバいし足取りもフラフラしてるから大丈夫かなって」

 

B「大丈夫(笑)ちょっと眠くて。寒いし」

 

メン「俺らも寒いし店入ろうとしてたねんけど、七軒目やしもう男二人で話すこともないし、ちょっと四人でどっか行かん?今日ポシャった合コンのリトライしたいねん。一杯だけでええし」

 

A「んーカラオケ行こうとしてたんよね」

 

メン「んなカラオケでもええよ」

 

かいつまんで言うと上記の様な運びでオケに連れ出し。

 

案件A、Bは共に18歳の合法jkで、共通の用があってMに来ていたそうだ。

 

学校は別で、趣味の繋がりらしい。

 

気づけばケンがマジの泥酔気味で心配だったが、入店後は上手く和みが進み、Aと自分、Bとケンというカップリングが出来上がっていた。

 

一度四人で恋愛トークをする。

 

彼氏の有無、チャラさ等について聞きだすと下記の事が分かった。

 

A:彼無し。交際人数数人。jojo。ナンパについていった経験なし。

B:彼有り。交際人数不明。非jojo。ナンパでのワンナイト経験多数だが、今は彼氏とラブラブ。

 

即の難易度はどっちもどっちだろうか。

 

ひとまず自分は、Aへのアプローチを続けた。

 

手相手合わせ。パーソナルスペースへの侵入。飲み物の交換等を仕掛けても問題なかったため、一旦トイレに行くふりをして受付でもう一部屋確保する。

 

部屋に戻ってから、飲み物を入れに行こうとAを誘い出し、予備の部屋に連れ込んだ。

 

しばし、真面目な話をする。彼女には夢があった。

 

せっかく入学した進学校、大学進学が安牌だと思っていたが、すぐに社会へ繰り出して夢を追いたい気持ちが強く、就職を選ぶつもりだが迷いがあるとのこと。

 

たまたま学生の進路指導に関わった経験があったため、その立場からアドバイスを送った。

 

話が落ち着いたところで、本格的にギラつく。

 

反応は悪くないけど、jojoグダ。粘っても崩せない。

 

そうこうしているうちに部屋の制限時間がきてしまった。

 

ケン側の様子が分からなかったため、部屋を出て予備部屋の会計を済ませてから足止めを試みる。

 

メン「ケンがBちゃんの事すごいええなと思ってるみたいで、もうちょっとだけ二人にしてあげれん?」

 

A「私はええねんけど、Bちゃん彼氏とほんまにラブラブやから浮気とか絶対ないと思うで!」

 

メン「ほんまに?」

 

A「うん、絶対ない!」

 

あと、荷物と携帯を部屋に置いてきたからとりま取りに行きたい、とのことで、やむなく元の部屋に戻った。

 

ドアを開けると、ケンがBに覆いかぶさってメチャクチャチューしている。

 

いや営業中やないかい。

 

それを見てAは何とも言えない顔で笑っていた。

 

退店を促されているため、急いで荷物をまとめ、四人で部屋を出た。

 

皆で話しながら街を歩くが、盛り上がりはそこそこある。

 

どこか入ろうかという話になったとき、ケンが朝まで自分の家へ行こうと提案してくれた。

 

通る。

 

タクシーを拾い、ケンパレ近くのコンビニで飲み物と菓子を買ってパレスイン。

 

玄関でケンが俺に耳打ちし、自宅に入ったクラスタは俺が初だと教えてくれる。

 

光栄だと思う一方で、それは彼が「自宅内でのチーム戦に慣れていない」ことを示していた。

 

即までの運びを考えなければならない。まずは家の構造を把握した。

 

ケンの家は1Kのユニットバス。

 

玄関兼キッチン兼廊下となる空間から、ユニットバス、リビングへ繋がる扉がそれぞれある。

 

即るパターンとしては、リビング、廊下、バスルームいずれかの個室でセパって各個撃破するか、片方の組が屋外に出るか、乱。

 

Aはjojoなのでリビング以外だと場所グダが発生するかもしれないし、Bも即系とはいえ他人の目があるとヤらないかもしれない。

 

予め色んなパターンを考えておくようにした。

 

周辺にあるラブホの場所も把握しておく。

 

ひとまず四人で机を囲んで恋愛トーク

 

オケ内でしていた話よりもシモ寄りの内容を話す。

 

基本はBの男遊びの話を掘り下げながら、ケンちゃんと二人で「若いんやし楽しんだ方が良いよね」と行為を肯定する。

 

A崩しの布石にしたかったが効果の程は分からなかった。

 

30分くらい話したところで、王様ゲームを提案する。

 

Bは過去これで酷い目にあったことがあるそうで、強めのグダが発生したが、あまりえげつない事はしないと約束し、ゲーム開始の運びとなった。

 

初回、Bが王様

 

初手、1番と3番がキス。

 

もうキスか。早い。ノリノリでわろた。

 

1番はケンちゃん、3番はAだった。

 

A「え~早い~!」

 

Aが顔を赤くして騒ぎ出す。

 

ケンちゃんを見ると、急にイケメンの顔になっていた。

 

キリッとした表情でAを見る顔が「はよ」と言っている。

 

Aは笑いながら顔を近づけ、チュッとおフレンチなキスをした。

 

「うぉーい!」

 

鳴り響く口笛、はやし立てるオーディエンス。

 

ここからは加速度的にどんどん盛り上がっていったと思う。

 

王様役になった者が命令をエスカレートさせ、女子二人も徐々にボルテージをぶち上げていった。

 

Bが俺にキス、Aがケンに耳舐め、Bがケンに手コキ、AとBが乳もみ、ケンが俺にDK、ケンが俺に手コキ、俺がケンに笛、ケンと俺がイチャイチャ…

 

途中、なぜか王様役が女子に回り続け、奇跡的な引きによってケンと俺が公開セッ〇ス寸前まで至る惨事となったが、概ね思い通りの流れになっていた。

 

ゲームにかこつけて愛撫して、最後は流れで即に至る。

 

それが、目標だった。

 

以前、火の国で王様ゲームからコンビ即を成した時に得た知見である。

 

DKや手万を繰り返された女子二人は、明らかにソノ気になっていた。

 

加えて服脱ぎの命令によって全員ほぼ全裸だ

 

メン「2番と3番がイチャイチャする!」

 

Bとケンちゃんだった。

 

ベッド上で絡み合う二人の様子を、恍惚とした表情で見ているAに無言で迫る。

 

ゲーム関係ないやん(笑)と言いつつも、受け入れられた。

 

がっつり手万すると、既にAの道頓堀川阪神祝勝ムードになっていた。

 

握って、と言うと、ぎこちない動きでリトルメンタルを上下させてくれる。

 

脱いだ服のポケットからスッとゴムを出して見せ、装着し、行こうとするも、グダ。

 

jojoグダ。痛いの嫌グダ。

 

メン「入れる人が慣れてれば慣れてるだけ痛くないと思うで。初回は入りづらいから、初Hは台無しになりがちやし、好きな人とのことに備えて、いま勇気出しといた方がええんとちゃうかな?それか、俺が嫌?横に他の人おるんが嫌?」

 

「嫌とかじゃないねん…」

 

口ごもるA。

 

できるだけ圧を与えないように配慮しながらAの返答を待っていると、彼女は消え入りそうな声で「怖いねん」と絞り出した。

 

自分はおっけと言い、愚息からゴムをパチーン!と勢いよく引っこ抜いた。

 

活動を開始したときに決めたことがある。

 

それは出来るだけ案件を怖がらせない。酒・パワーギラをしない。ゴムはつけるということだ。

 

今回は断念することにした。思えば初体験が乱と言うのも可哀そうだ。

 

横を見ると、ケンちゃんはBとずっとキスしていた。

 

次のん引こうというAに促され、2人に声をかけて次のターンに移った。

 

王様がケン。命令は1番と2番がイチャイチャ。

 

今度はBと俺だった。

 

ベッドに上がり、挿入未遂のままギンギンになっているモノを披露する。

 

Bはそれを、何も言わずにしごいてくれた。

 

しかし、キスしながらBの道頓堀川を触るも、彼女は足を閉じて抵抗の意を示した。

 

幾度となく擦り倒したグダ崩しの台詞を語りかけながら道頓堀川をかいていく。

 

すると徐々に、干からび、閑散とする川が盛り上がり始めた。

 

Bの口から吐息が漏れ、続々と集まってきた阪神ファンたちが六甲おろしを口ずさみだす。

 

打ち鳴らされるメガホンのコーラスをバックに、自分はえびす橋の縁の上に立っていた。

 

あっと一人!あっと一人!

 

2003年、阪神祝勝ムード真っ盛りの道頓堀川の情景が脳裏に広がる。

 

自分は縁の上からBに向き合った。

 

熱意をもって語りかける。

 

彼氏には絶対バレへんよ。

 

共通の知り合い誰もおれへんやん。

 

若い間に遊んどくからこそ、大人になったとき誠実な付き合いができるんやで。

 

もしほんまに無理になったらすぐやめるから。

 

胸や首、耳を攻め立てる。

 

すると、ぐっと力が入っていたBの体から力が抜け、急にぐったりとしだした。

 

両手をBの足にかけ、広げる。

 

もう抵抗は無かった。

 

水しぶきのあがる、阪神祝勝ムード全開の道頓堀だけがあった。

 

ゴムを付ける。

 

心臓が高鳴った。

 

11ヶ月追い求めた大阪スト初即が眼前に迫っている。

 

感慨深いなんてもんじゃない。

 

込み上げる感情に性欲が押し流されてチングダしそうだった。

 

入れるで、と言うと、Bは首を縦に降って同意を示した。

 

モノを万こにあてがい、焦る気持ちを抑えて、飛び込む。

 

自分の下半身に広がる熱と快楽。

 

言葉にならない感情の波に胸を叩かれていた。

 

ほどなくして行為を終え、お互いの姿が見えない暗闇の中、大きくガッツポーズする。

 

目頭が熱くなってきた。

 

ベッドからこっそりと部屋の隅に移動し、声を殺して泣いた。

 

活動開始から11カ月、クラスタ入りから10カ月。

 

125出撃、1319声掛け、102バンゲ、99連出し、12ストアポを以て、大阪初のスト即を達成した。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

Bとの行為後ケンちゃんと交代し、ケンちゃんが即っている間、Aには笛をしてもらった。

 

その後、始発で帰らないといけないというAを連れ、二人で駅までの道を歩いていた。

 

A「こんなん初めてやわ」

 

やはり18歳。先程の乱が今になって恥ずかしくなってきたようで、普段はこんなことせんとか、深夜でおかしくなっていたとか言い訳を並べ立てていた。

 

メン「嫌やった?」

 

優しく聞く。

 

割と真面目に生きてきた18のJojoにあれは酷だったかもしれないと思い、フォローはせんとなと考えていた。

 

A「嫌とかじゃなくて」

 

Aが寄り添ってくる。

 

とりとめもない会話をしながら、どちらからともなく手を繋いだ。

 

いつも自分は、即った後に何故即れたのか出来るだけ案件から聞き取るようにしている。

 

その即を次に活かすためだ。

 

でも、この日はそれをせず、ただ喜びを噛みしめていた。

 

こんなに可愛い子が自分の隣を歩いている。

 

遠征地ではなく、ホーム大阪でだ。

 

スト低でも、OIOIでもない。

 

今まで遠征地でしかスト即を成せなかった自分には奇妙な感覚だった。

 

ああ、なんて幸せなんだろう。

 

Aと解散した後も、余韻が全く冷めなかった。

 

それはここに至るまでの道程がそれだけ険しかったからだと思う。

 

苦節11カ月、大変な苦労をした。

 

近々では、関東でのストナンノック終了後から始まった大スランプ。

 

ストの1連出しを1試合と考えると、28連敗を喫したことになる。

 

この時はさすがに気が弱った。

 

手詰まり感があって、悩んで、ついに前々から検討していた整形手術を宣言した。

 

顔の手術なんて初めてだ。

 

界隈の仲間等から本当にやるのかと聞かれ、もちろんやると口では即答したけれど、正直怖かった。

 

ここまでする必要があるのかと何度もため息が出た。

 

でも、今になってはよかったと思う。

 

そうした苦労があったからこその成長と喜びがあったからだ。

 

上達のヒントを求め、全国を旅してまわり、各地の凄腕から多くの事を学んだ。

 

ゴールを定め、必要な取り組みを逆算して設定し、振るわん中でも堪え忍びながらストに打ち込んだ。

 

系統特化等、色々と工夫して実際に今日結果を出せた。

 

自分の取組みが報われて、筆舌に尽くしがたいほどの喜びがある。

 

もし自分が最初から何の苦労もなく即を量産していたら、今までの出会いと研鑽はなかっただろう。

 

携帯を見ると、たくさんのツイートやラインが届いている。

 

本当に険しい道だったけれど、多くの方々のご支援があって成し遂げられた。

 

自分は幸せ者です。

 

今まで関わって下さった全ての方々に感謝申し上げたい。

 

そんな気持ちで、一つ一つのリプに返信する。

 

また返ってくる暖かいメッセージ。

 

これから先、活動で挫けそうになった時は今日の感動を思い出そうと思う。

 

手術の痛みが残る目から、乾いた頬に再び涙が伝わった。

 

(終)